見よ!!科学の力!!
子供おやじ教授の
甲歯力研究所
こうしりょくけんきゅうじょ
第13研究室
ワラストンVSマキタイギラファ。あひ〜!両者の鋭い内歯に注目。とんでもなく凶悪な顎の形状じゃ〜!!
待望の第13弾!!だれもが夢見ながら、
実際には測定することができなかったクワガタたちのアゴの力。
見よ!!夢を実現する驚異のマシンの力を!!
そして、驚愕の実測データを!!
企画・作成・実測:子供おやじさん
甲歯力研究所
子供おやじ教授
2008年2月
長らく間が開いてしまいました顎力計です。
計測は欠かさず続けていますが、新選手招聘が進まないこともあってなかなかネタが揃いません。
この間に顎力計も老朽化し、再び摩擦損失も大きくなってきました。
そのため最近では顎力計がピークホールドした値までバネばかりで引っ張って実測値を決定しています。
こんな理由で、最近の報告値は初期の頃の摩擦による誤差を補正せずに報告した値より大きく、これが実際の数値に近いものだと思っています。
つづき
ワラストンツヤクワガタ73mm (顎長24mm、先端内歯位置21mm、中央内歯位置17mm)
先端内歯力実測値1700g トルク3.57kg・cm 中央内歯力推定値2100g
ギラファノコギリクワガタ95mm (顎長40mm、奥歯位置7mm)
顎先力実測値1000g トルク4.0kg・cm 奥歯力推定値5700g
以前に黄色いツヤ系としてラコダールを報告しましたが、個体のやる気の無さと顎力計の不調が重なって不満足な値だったことが心掛かりでした。
今回、何気なく店でワラストンを見つけた時「測れ!」と誰かの囁きが。
その声の主を捜すべく三匹のワラストンを交互に見比べて10分後、「これだ!」と意気込んで一匹を店長さんに渡しました。
すると店長さん、
「おや、メスをどこにやったかな〜」そして奥に向かって「ワラストンのメスは? え、もう居ない? お客さん半額にしますのでオス単品でもいいですか?」と。
オス単品のほうが有り難い自分ですが、この時ばかりは、「ええ〜!3ペア居てメスが全部死ぬほど古い入荷の個体なのか?」と一気に不安になりました。
そんな不安を一掃したのが顎先付近で1700gの実測値。これは強いです!
弱々しかったラコダールの時とは全く違う勢いで顎力計の針が跳ね上がります。
この個体が若いかどうかは分りませんが、状態が良ければこうまで違うものなのかと驚きました。
確認のため測定を繰り返す度に1500g〜1700gを連発したのですが、突如、半分ぐらいの力しか出なくなりました(以前のラコダールがこの時ぐらいの感じ)。どうやら筋肉を傷めたようで、片顎の動きが変でした。
数週後、顎の動きは良くなり顎力は再び1500gぐらいに回復、このコンディション変化による差も興味深いものでした。
このサイズのツヤでトルク3.5kg・cmを出せるということは、コンディションのいいインターやアルケスなら、以前の測定値を大きく上回るのではとも思われました。
おしまい
ギラファに関しても以前の報告ではこの半分ぐらいの力しか出ていませんでした。
その時の個体は自家ブリード品でしたが、早い時期から脚がもつれ出し、次世代も孵化しなかったという問題あり個体に加えて、顎力計の摩擦誤差も大きかった時の数値です。
そのため、今回の値が信頼できるものと考えています。
また、コンフキウスノコギリも新しいデータを報告します。
コンフキウスノコギリクワガタ88mm(顎長35mm 中央内歯位置19mm 奥歯位置6mm)
顎先力実測値800g トルク2.8kg・cm
こちらも、前回報告より良い数値になっていると思います。
ギラファに近い種類として両者を比較すると、サイズの差もありますがトルクに大きな開きがあるように感じるかもしれません。
しかしこのコンフキウスの頭幅は20mm、上のギラファの頭幅は22mmぐらいで約10%の差がありました。
すると頭部の容積比は1:1.32となり、トルクでは30%以上大きくなる計算です。
コンフキウスのトルクを大ざっぱに3kg・cmぐらいとすると、ギラファのトルクは計算上4kg・cmぐらいで合ってそうでした。
しかしながら、トルク4kg・cmは以前報告したオオクワ76mm頭幅26mmの3.89kg・cmを凌いでいます。
そこで再びオオクワを測定し直しましたが、やはりトルクは4kg・cm弱で前回と同じでした。
今回のギラファの頭幅22mmは、家にいるオオクワ64mmと同じです。
このオオクワのトルクは2.3kg・cmで、同じ頭幅でも両者のトルク(=生み出している力)には大きな差があります。
それでもギラファ95mmとオオクワ64mmというサイズ差を考えると、頭幅だけでない厚み等の違いによる当然の力差と思われ、このあたりが種族間の差なのでしょうね。
タカハシさんの報告では110mmに迫る大型マンディブラリスのトルクは5〜6kg・cm台の者も居ました。
この数値は頭幅30mmクラスのオオヒラタのトルクと同等以上と思われ、いくら大きくても頭幅が30mmを超えてはいないであろうマンディブラリスがこれだけの数値を記録することも、同じように興味深い種族間の違いと言えましょう。
ちなみに今回のワラストンの頭幅は25mmでした。
Charles Watson さんのBeetle-Beetle!2では、110mmUPギラファの推定トルク5〜6kg・cmにも耐える顎が、アクティオンゾウカブトによって根元近くでへし折られています!
ゾウカブ達がどれほどのパワーを秘めているのか、いつかは知りたいものです。
名前:兜 獣蔵博士
待ってました!顎力計!
き、きき、キター!!
待ってましたぞ!!顎力計!!
今回も素晴らしい研究報告ですぞ!
ギラファ&コンフの新データ、納得ですぞ!
以前の計測値より高い数値で、より正確とのこと、頷けますぞ〜。
測定値が低い割りに、実戦での戦闘力が高いような気がしていたんじゃが、今回のデータで強さが裏付けられたような気がします。
コンフもなかなかやりますな。
わしのも奥歯の力は強烈なようで、一昨日は興奮して荒れ狂うテイオウを奥歯一発で止め、SM調教、勝利しおりましたぞ。
ワラストンもやってくれました。
いい個体にめぐり合えて良かったですね。
ワラ&ルデの個体差は、強いのと弱いのとで月とスッポンほどの大きな隔たりが・・・
教授の眼力、素晴らしい!!吟味した甲斐がありましたね。
1700の実測値!装甲を切り裂き、脚をもいでしまうまだら狼の牙のイメージ通りです。
さすが教授、と感心するばかりです。頭いいですぞ!
理論や内容はもちろん、写真もいいし、誤差修正の技も光っていますぞ。
そんな仲間がいることを、わしは誇りに思いますぞ。
この素晴らしいレポートを、早速次回更新で転載させていただきますぞ。
この間、最初から甲歯力研究所を読み返してみたんじゃ。
あらためて感動したんじゃ。
教授、いつもありがとうございます。
わしの大親友じゃ。
感謝していますぞ〜。
P.S ゾウカブのツノ力、一体どんな数値をたたき出すのか・・・。
6kg・cmを軽く超えてるのは間違いないよね・・・。
アレ、簡単に折ってるもんね・・・。ひいい・・・
名前:Charles Watsonさん
今回も参考になりました。
子供おやじ教授
いつも”B-B!2"に来て頂いてありがとうございます。
久しぶりの甲歯力研究所楽しみにしていました。
今回も、非常に説得力のある理論に
納得です。さすがです。
教授も触れてくださっているように、アクティオンがギラファの大顎を折りましたが、これはアジアにはアクティオンのような敵がいないので、ギラファの構造的には想定外なのでしょう。
ジローさんも言っていたように、一見するとギラファの大顎は細くて折れやすいのですが、実際には見た目以上に強く滅多に折れません。不思議だなぁ
とずっと思っていました。
教授のデータを見てよく考えれば、ギラファが相手を顎の先で捉えて全力で挟んだ場合、相手のダメージもさることながら、自らの顎にも相当の負担がかかる訳で、これに耐える強度を持っていなければなりませんね。もし知能が高ければ「先端で挟んじゃったので力を加減しよう」と思うのでしょうが、クワガタにそこまでは求められませんし…
だから、丈夫だったんだ!
これまで、この理論に気が付きませんでした。納得です。
ネプチューンの頭角も同じですね。
今回もありがとうござました。
ゾウカブトの角力の測定も楽しみにしています。
Charles
名前:ジローさん
待っていました!
今回もいろいろなクワガタの顎力が出されていて勉強になりました。
コンフキウスは顎が細い分先端は弱いのかな?とか思っていたのですが結構な力が出るようで驚きました。それでもやはり顎がやや太く丈夫そうなギラファの方が力はあるようですね。
ワラストンは去年招待したパラワンに穴を開けてしまい死に追いやってしまいました。(羽化してあまり経っていなかったのも在るかもしれません。)
そこから考えると1700gというのはとても参考になる数値ですね。
ヘラクレスは挟まれてみてその挟む強さに驚かされましたが、ゾウカブトは果たしてどうなのでしょうね?
よく思うのですが子供おやじさんの顎力計の説明は長文なのですが説得力があり楽しくすらすら読めてしまいとても満足させていただいています。(自分もそうですが説得力0)
次は何が出てくるのか楽しみで仕方がありません。
次回も待っています。
名前:子供おやじ教授
感想ありがとうございます
>博士
状態のいい個体に当たると次々と大きな数値が出てきて、以前の推論から外れてくることが多々あって恥ずかしいかぎりです。
測定を重ねるほどだんだん「結論、大きいものは強かった」という大雑把で単純な結果になりそうで怖いです。
>Charlesさん
計測をするようになってからは、内歯部の推定破壊力が大きいものを戦わせることが怖くなりました。
ギラファの奥歯もさることながら、今回のB-B2でアルキが奥歯でネプチューンの頭角を挟んだ時には ヤバイ!と叫びそうに。
無事だったようでなによりです。
>ジローさん
ヘラクレスが挟む力は100mmパラワンをも上回り、角がもっと鋭ければ酷い怪我をさせられそうですね。
ヘラの力を知ってからは、胸角をつまんで持つ時に、ヘラが挟もうと跳ね上げる頭角が指にかするだけでゾッとします。
新たなデータが次々と出てきて収拾つかない部分も有りますが、気楽に面白がっていけばいいかなと思っています。
なにせこれを始た時は、クワガタの力なんて、
「たかが10cmぐらいの虫だから1kgも出ないだろう」
と言われればそうかもしれず、
「オオヒラタに挟まれたあの痛さは10kgだと言われれば」
さもありなんと納得しそうなぐらいの手探りだったので・・・
教授の最後のコメントに深くうなずくわし。
たしかにそうじゃったな〜。
挟まれたり、強烈な技を見せられたりしたとき、「いや〜、これは一体どのくらいのパワーで挟んでるんじゃろ?量りじゃはかれねえしな〜。大学の研究所とかで作ってくれねえかな・・・。」みたいに思ったことがあったもんじゃが、この夢を個人で実現してしまうとは・・・・・。
こんなにたくさんの種類のデータが公開され、蓄積される。
まさに夢が現実になったんじゃ。
教授、尊敬しますぞ。