獣蔵博士のむしさんすきすき
第40話
「虹の卵」
無効試合になった幻の一戦・グラントVSニジイロ。お互いの変な姿に、敵と認め合えず。
玉虫色の傾き者・ニジイロクワガタ登場
「ニジイロは戦うのか?」
オウゴンオニクワガタと同じで、みなさんの興味の焦点はそこにあると思う。
虫王では、はるかに大きなパリーオオクワガタを見事なジェット=アッパーで葬り、強烈なインパクトを残した。
鈞さんのMKOC MAXX(ライト級GP)では見事優勝。
MKOCのスペシャルマッチでも、必殺のアッパー、ウイニング・ザ・レインボーを見せている。
虫王出場を聞いたとき、「マジ?死ぬって・・・。ぷちっと行かれて終わりだって・・・・。」と思った。
虫王なんかに出場したら、間違いなく殺されるって・・・。
本気で心配しただけに、その鮮やかなKO劇は、私の胸を捉えた。
「ま、マジかよ・・・。相手はオオクワガタだぜ・・・・。ありえねえ・・・。」
ツノの生えたカナブン。もしくはタマムシ。
防御力は絶望的に低いことが予想される。
頭の小ささを考えれば、パワーは低く、非力なことは間違いない。
(教授の顎力計の測定結果はいかに?わくわく・・・・)
この姿で勝つか?
国産カブトムシの秘奥義・ジェット=アッパーは、梃子の原理と、切れ味・スピードでもって、巨大な外国産甲虫をも吹き飛ばす力がある。
ニジイロクワガタよ。お前もその使い手か!?
私にとってそのインパクトは強烈で、長らく「まだ見ぬ強豪No.1」の存在であった。
しかし、巡り会わず。
巡り会うことは巡り会うのだが、小さすぎるのだ。
あの技があっても、おそらく50ミリ程度では、ミドル級レギュレーションの中ですら通じまい。
私は待った。
・・・・・でもぜんぜん巡り会わず。
たまに大きいのを見かけても、羽化時期を見ると「もうすぐ寿命で〜す。使用済みで〜す。」みたいな。
それで8,000円はないだろう!!
この夏、ついにやや大きめの個体を発見。
場所はホームセンター。55ミリで6,000円だ。
めすのふせつが切れている、ということで「値下げ・お買い得品」とのこと。
ミドル級レギュレーションであれば、手を出さなかったであろうが、今はライト級GPがある。
55ミリでも、そこでなら活躍できるだろう。
我慢できず買った。
これがニジイロ1号・ニジイロクワガタ・トロツキーだ。
(最初の命名は「エメラルダス」だったが、その響きがめすっぽいので、トロツキーに変更。ネタもとは安彦良和の「虹色のトロツキー」ね。)
と、ところが。
ほんの二日後に、昆虫ショップでもっと大きなニジイロ・3,800円を見てしまう。
げええええ!!し、しまった!!
おおう!なんてこったい!!
ここは我慢だろう。
しかし、それができないのが俺様。
買ってしまう。
それがニジイロ2号・フラワーケイジだ。
この超ウルトラ・ド派手な出で立ちは、あのオウゴンオニをしのぐ。
甲虫界のかぶきもの。
それでフラワーケイジ、ネタもとはもちろん、原哲夫「花の慶次」だ。
その数日後。私は心臓に痛みを感じるほどのショックを受ける。
60ミリはあろうかというニジイロクワガタ・5,500円を見てしまったのだ。
その隣には、先日たった一試合しかせずに御他界してしまったグラントシロカブトが4,800円で並んでいる。
財布には1,000円と小銭が少々。
つ、つらい・・・・。神様!!これは辛すぎます!!
せめて見なければよかった・・・・。
なぜ私にこんなつらいモノをお見せになるんですか・・・・・!!
まあ、金があれば、両方買っていただろう。
どうでもいい話はこの辺でいいだろう。
いよいよ本題へ入ろう。
結論を言えば、ニジイロクワガタを戦わせるのは難しい。
闘志が希薄で、自分から積極的に仕掛けることはほとんどない。
グラントシロカブト、国産ノコギリクワガタ、ミヤマクワガタ、アスタコイデスらとの対戦ではほとんど積極的な攻撃を行わず、塩試合を生産。
相手も消極的な選手の場合、もはや試合は成立せず、だだのお見合いがひたすら続く。
某DVDのトーナメント戦で、ニジイロの対戦相手をオウゴンオニにしたのは、その時点ですでに「塩試合」への片道切符を買ってしまったようなものであったと言える。
ただし、全く闘志が無いわけではない。
反撃は行う。
ミヤマやノコギリの攻撃を受けて、ウイニング・ザ・レインボーを繰り出すことはあった。威力はそれなりにあり、彼らの技を解除してしまうことができる。
対戦相手も、どうもニジイロが相手だと燃えないようだ。
姿形、色ともクワガタばなれしている上に、ほとんどアクションを起こさないため、「こいつは敵である」という認識が起きにくいようだ。
「戦意のないカナブン相手に本気になんのも・・・ねえ・・・。」みたいな。
相手によっては、単なる「モノ」と見て、その体の上をスタスタ歩いていってしまう。
彼に本気を出させるのは、極めて難しい、ということに、今更ながら気付く。
「衝撃の一戦」は「たまたま」だったのだ。
虫王本において、大きなパリーオオクワに勝ったはずのニジイロクワガタの評価が低いのは、「あの勝利はまぐれ」であったことを示している。
アレを見て、「ニジイロはつええ!!」と思ってしまった私。
私が長らく待ち続けてきたのは彼らの幻の姿だったのか。
二機も揃ってしまった虹色の塩試合製造機。
あこがれ続けた初恋のひととついに恋人同士になることができた。
わーい!!
ベッドインしたが、ウンともスンとも言わないマグロ女だった・・・・。
ショボーン。みたいな。
そこで登場するのがティティちゃんである。
ティティウスシロカブト。
「マンディ・シャドウ十番勝負」のため、モー虫に飛来した小さなカブトムシ。
戦績は良くない。
彼がまともに勝ったシーンを、みんな見たことがないのではないか。
「シロカブ十番勝負」で狂犬・ダールマンに勝利した試合はUPされているが、これはダールマンの気まぐれによるもので、印象は薄いだろう。
「モー虫ファイト23 カブトムシの世界」では、アロエウスを甲虫ホモ流星・ティティウス飯綱落としで破っているが、これも「勝った」といっていいのか微妙な内容。
しかし、それでもティティちゃんは素晴らしいのだ。
何が素晴らしいかというと、ティティちゃんは相手を燃えさせる名人なのだ。
「名勝負製造機」と呼ばれた初代セレちゃんが、対戦相手を燃えさせる名人であった。
アントニオ・猪木の「風車の理論」よろしく、相手の5の力を9まで引き上げて引き出して、そして自分はその上を行く10の力で相手を仕留める、みたいな。
ティティちゃんは、同じように相手を燃えさせるが、相手から10の力を引き出した末、自分はその下を行く6の力で敗れ去る、という感じか。
なぜか、ティティちゃんが相手だと、みんな燃える。
それはティティちゃんが勇敢だからだ。
それは同じシロカブ仲間のヒルスやグラントにはないものだ。
やみくもに突っ込んでいき、ツノはほとんど使わず、パンチを打ちながら相手に乗り上げるまで突進をやめない。
これで燃えない相手はいない。
ツノはめったに使わないため、相手は決定的なダメージを被ることがないまま、ティティちゃんに攻め立てられ続けることになる。
これで段々と腹が立ってくるのだろう。
地蔵菩薩・ギデオンですら技を出してしまう。
二代目ちびギデオンも、ティティにだけは容赦ない。
アスタコも、ティティに対してだけは執拗だ。
あのヒルスですら、ティティにだけ、「ま、マジ!?ムゴい!!ムゴすぎる!!やめてやってくれ!!」と割って入りたくなるようなえげつない必殺技を決める。
カブ八郎、リノケロス、つの五郎、ミヤマっちダークネスもまた、ティティウスと対戦し、それをやっつけることでハイパー化したのだ。
ティティウスの選手紹介欄に書いてある、必殺技・「地獄の四連ドリル」デスカルテッド・ドリルストームが出た試合を、まだみんなは見ていないだろう。
今回、それも見せよう。
対 「天国に一番近いノコ」ラフェルトノコギリクワガタ戦だ。
そして、それに続いて、
ニジイロクワガタ・フラワーケイジ VS ティティウスシロカブト 戦をお送りする。
おまけとして、ミヤマっちジャイロゲス戦、ノコギリクワガタアサノビッチ戦、ダールマンツヤクワガタ戦もUPする。
おまけはアッサリ味なので、スルーも可。
さらにおまけでニジイロ同士の一戦もUP。
ニジイロ同士だと、急にやる気を出すフラワーケイジ&トロツキー。
その直後、「この勢いで行け!!」と、ラフェルト、アロエウスをリングに送り込んだが、今度はやる気なし。
グラント戦同様、無効試合に・・・・・。
姿形が全く他種のカブ・クワと違うため、同種同士でないと燃えないようだな・・・・。
http://www.bannch.com:88/servlet/BBSres/29259/33554036
(モー虫動画館:ニジイロクワガタスレッド)
さて、今回の主題、ニジイロVSティティウスの一戦の話、いってみよう。
突っ込んできて、のしかかってくるティティウスは、ニジイロの秘めた力を引き出すにはもってこいの存在だ。
ウイニング・ザ・レインボーが炸裂。
ファンタジック・Vが爆発。
何度もティティウスを突き上げ、はじく。
しかし、ティティウスが後退することはない。
アスタコイデス戦の再現だ。
ひたすら、ひたすら、いつまで〜も戦いが続く。
ニジイロのウイニング・ザ・レインボーは、国産カブトムシのジェット=アッパーと比べれば、威力とも切れ味とも数段劣る。
とは言っても、それは国産カブトの技の威力と切れ味が異常なのであって、ニジイロの技も、梃子の原理を利用した十分に立派なものではある。
この頭の大きさで、他種のクワガタに勝つには、これしかない、という、すばらしく合理的な技だ。
しかし、ティティウスも、しがみつく力としぶとさ、心のスタミナがある選手。
絶好のポジションに乗り上げてくるティティウスを、ニジイロは何度も突き上げるが、葬り去ることができない。
対するティティウスもフィニッシュたり得る技がなく、やみくもに突っ込んでいくだけなので、ニジイロにダメージを与えることができない。
一説には、「ニジイロクワガタのしがみつく力はとても強い」と言われる。
それは真実のようだ。
現在、ニジイロが2匹いるが、小さな彼らと対戦して、彼らをリングから剥がすことに成功した者はいない。
爪も大きく、脚力もある彼らは、ライト級程度の力ではビクともしないのだ。
試合は途中からまたもや妙な雰囲気になってくる。
対アロエウス戦同様に、バトルで興奮したティティウスは、なぜか発情してしまい、リングでの目的がいつしか入れ替わってしまう。(またかよ!!)
ニジイロのファンタジックVをすり抜けたティティウスは、マウント・ポジションを取ると、超必殺の「H・O・M・O」ハイアングル・オーバーマウント・オクスニードルの体勢に入る。
しかも、必殺のH・O・M・Oは、さらに性質の悪いバージョンアップをとげていた。
で、出たァ〜〜〜!!
新必殺技・「カノッサの屈辱」リバース・ハイアングル・オーバーマウント・オクスニードル・スクエアー!!(長いって。くどいって。)
もし、人間同士の総合格闘技の試合なら、この技でギブアップしない選手はいないだろう。
なんと、ティティウスは、ニジイロからバックマウントを取ると、おもむろにチンコを出し、ニジイロの顔面に激しくピストンしながらの「チンコ突き立て」に入る。
顔面に激しくチンコを連続で突き立てられ、あまりの屈辱と苦痛に意識を失うニジイロ。
全く動くことができず、顔面をティティちゃんのチンコの蹂躙に任せるままになってしまう・・・。コレはキツい!!
「魂をレイプ」する嫌過ぎる恥辱技。私ならギブアップだ。
UPした動画では、まだ少しニジちゃんが動いているが、突き立てられ続けるうちに完全に動かなくなった・・・・。気絶?
ひたすら顔面ピストンの動画もあるが、別に見たくないよね・・・?
希望あればUPするけど・・・・(笑)。
TKOでレフェリー・ストップか、膠着(?)ブレイクか、無効試合か、反則負けか、判断が難しいところだ。
これでは話が進まないので、「しょうがねえなあ」と苦笑しつつ、ブレイクを命じる。
「ファイト!!」
欲情に狂うティティちゃんは、再び突進。
さすがにアレをもう一度食らうのだけは御勘弁だ。怒りで震えながら、ニジイロも必殺のバーチカル・ギロチン・シザーズでティティを挟みあげる。
攻めるティティちゃん、ファンタジックV、ウイニング・ザ・レインボー、バーチカル・ギロチン・シザーズを繰り出し、防御するニジイロ・フラワーケイジ。
なんかよくわかんない死闘が、いつ果てるともなく続く。
長い長い戦い。
最後はウイニング・ザ・レインボーではじかれたティティちゃんが、「もういいや・・・」みたいな感じで諦めて去って行き、決着がついた。
遠い昔、長州力は、外国人選手といい試合ができなかった。
ただひとり、藤波辰巳だけが、長州の力を200%引き出して戦わせることができた。
長州は藤波と「名勝負数え唄」を繰り広げることによって、地味な中堅レスラーから、オーラすら感じさせることができるスターへと脱皮していった。
藤波がいなければ、長州も、長州小力もなかっただろう。
「心の藤波」ティティウスとめぐり会い、はじめて自分の力の100%を発揮して戦うことができたニジイロクワガタ。
これによって、一皮むけ、「いい選手」に成長してくれないかな〜。
ドルクスさえ弾き飛ばす驚くべき必殺技。(装甲は不安があるものの)強い脚が生む鉄壁の防御力。
ニジイロクワガタは、「戦えば強い」のだ。
顔にチンコをグリグリと突き立てられ続ける。
しかも、はふはふ言いながら、激しく腰を使ってピストンピストン。
これほど無礼な仕打ちは他にあるまい。
どんな温厚な人間、聖人君子でもカッとなるに違いない。
逆に、そこまでされないと戦えないニジイロは、とってもいいひとなのだろう。
ニジイロクワガタよ。
おまえはモー虫の「いいひと」草薙剛なのだ。
(オイオイ、なんで唐突に草薙なんだよ!!話の流れからいって、長州か、前田慶次じゃないのかよ!!というみんなの声が聞こえる・・・・・・。)