2回戦Bブロック

2回戦第5試合

戦う黒いダイヤモンド・国産オオクワガタ

VS

南の最終兵器・トカラノコギリクワガタ

 

 

 「国産最強論争」というのは人気があるテーマだ。

 

 多くの人々が、子供時代の思い出や、大人になってからの経験から、それぞれに持論を持っている。

 

 

 あるひとにとっては「カブトムシ」こそが最強であり、大型の外国産甲虫を倒せる可能性を唯一持っている虫であるという。

 

ノコギリクワガタこそ最強、というひともいる。「いや、ノコギリクワガタに決まっている。カブなんかどんなにでかいヤツでも、同じケースに入れておいたら数日後には真っ二つよ。」「子供時代に数限りなくやったバトルでは、ノコこそ文句なしに最強だった。」という。

 

「い〜や。世界最強の種族であるヒラタにかなう虫はいない。気性、身体能力、アゴの殺傷力からみて、ヒラタこそ最強。大型の離島ヒラタならなおさらよ。」

 

「おまえら、本当に強いミヤマを知らないからそんなことがいえるんだよ。凶悪なミヤマを持ってきたら、ケース内の他種の甲虫は数日で穴だらけ、みなごろしだよ。実際そういう経験あるし。」

 

「バカ言うな。80ミリオオクワガタに決まってんだろ。装甲・パワー・破壊力、桁が一桁違うぜ。」

 

「なにおう!!80ミリオオクワなんて自然界に存在しない人為的な奇形だろ!!天然オオクワなんて55ミリがいいとこ、バトルだって、コクワといい勝負じゃんか。」

 

 

 

その答えは・・・・・・。

 

 

最大級の個体同士の戦いはさておいて、モー虫でできること、「ほぼ同体長だったらどれが強いか?」という戦いを追求してみたいと思う。

 

モー虫の国産虫の主力選手たちは、ほぼ同等の体格で、70ミリ前後である。

ミヤマっちグレート、マリポーサ、スーパーフェニックス、ソルジャーしかり、オオクワガタ1号、マックスハートのオオクワガタ勢も、トカラっち、アマミっち、政宗号、そしてかぶえもんをはじめとする国産カブトムシ勢もそうである。

 

 

その中で、今回はオオクワガタ1号と、トカラノコギリクワガタが激突。

 

 

期待感は満点だ。

ノコギリVSオオクワ、ほぼ互角の体格。

 

オオクワガタがパワーに優り、有利が予想されるが、ケース内で他種を二つに切り離してしまうノコの大アゴもあなどれない。

サザンクロスナイフがいい所に決まれば、撤退に追い込めるだろう。

 

試合は一撃で片がついた。

 

開始時点からナーバスで、ウロウロしていたオオクワガタは、出会い頭にトカラっちのサザンクロスナイフを受け、大慌てで撤退。

トカラの圧勝、という意外な結果になった。

 

オオクワガタは、どうやら前回大会のコーカサス短角戦で受けた心の傷が癒えていなかったようだ。

トカラの攻撃に過剰反応してしまった黒いダイヤモンドは、2回戦であっけなく消えてしまった。

 

トカラノコギリクワガタが見事な先制攻撃で3回戦進出!!

 

 

 

 

2回戦第6試合

地獄の風車・つの三郎

VS

漆黒の暴風雨・パラワンオオヒラタクワガタ

 

 

つの三郎試練の十番勝負が続く。

今回の1回戦は、「ミドルの帝王」パラワンと激突だ。

 

 

並みのミドル級選手であれば、あれよあれよと畳んでしまうつの三郎だが、パラワンはそうはいかない相手だ。

ミドル級であれば無敵。この当時はまだまだ元気で、晩年に「モー虫ファイト」で見せた不甲斐ない姿はまだ、かけらもない。

 

前の試合で、オオクワガタがコーカサス短角戦の痛手を引きずったまま、トカラノコに惨敗を喫したが、パラワンはどうか。

 

 

試合開始。

全く敗戦の影響なし。

 

復調したつの三郎と、丁々発止の好勝負を繰り広げる。

 

地獄の風車のロボコニック・ストームをかいくぐり、死神の鎌がうなる。

 

なかなかいい所を挟ませないつの三郎。

 

お互い決定打を狙って、激しい攻防。

 

 

つの三郎が勝負に出る。

 

モンゴリアン=チョップ(ダブル・ロボコンパンチ)から、前に出る。

 

必殺のスチーム・ローラーに持っていくために、さらに踏み込む。

そのままワラワラと押し流してしまえば、ミドル級の体格でしかないパラワンをも一気に・・・・・・。

 

と、思いきや、仕掛けをあせったつの三郎は、(というより、何も考えずに前へ出るのが彼のスタイルだが)よりによってパラワンの上に乗り上げていってしまう。

 

 

 

ダメだ・・・。

 

 

ミドルの帝王がそんな失策を見逃すはずも無く、目にも止まらぬ速さのデスシックル・スラッシュでつの三郎を撃沈。

 

                                                   ダブル・ロボコンパンチがヒット!!しかし・・・。

好勝負の末、パラワンが3回戦に駒を進めた。

 

 

 

 

 

2回戦第7試合

ロンボックの赤忍者・ギラファっち中歯

VS

赤い最終兵器・ニューノコ(国産ノコギリクワガタ)

 

 

まじ〜。

明白な水増し。消化試合。

そう見えるこのカード。

 

しかし、こんなカードにも意味はある。

 

ギラファと国産ノコ、同体格ならどっちが強いか。

 

そして、どんな選手にも光る場面を作ってやりたい、という私の親心だ。

 

ギラファ中歯は、いまだ白星なし。

意欲はあるだけに、気の毒である。

細身のノコギリクワガタなのに、体格的アドバンテージも与えられないのでは、彼に勝ち目はない。

 

持ち前のスピードで、低い体勢からのメトロサブウェイVで先手を取っても、トドメを刺す事ができず、結局はパワー負けしてしまう。

 

前回大会では、トカラっちに完敗。

 

しかし、今回は互角の体格。

 

さあ行け!中歯ちゃんよ!

 

 

 

迎え撃つニューノコ。

体格的にはモー虫参戦ノコの中でも最も劣る彼だが、イキはいい。

 

 

同じノコギリながら、形状は全く違い、この対戦は興味深い。

 

予想では、挟む、抱える、投げる、払う、真っ二つに切り離す、という万能兵器的な形状の大アゴを持つ、国産がちびギラファを圧倒するであろうと思えた。

 

ちびギラファのアゴは細すぎて、パワーに欠け、恐怖の第一内歯も、この程度のパワーでその効力を発揮するのは難しい。

 

 

 

試合開始。

 

スピードで優る、ギラファっち中歯が先手を取る。

得意のパターンだ。

 

もがくニューノコを死を呼ぶ地底特急が襲う。

メトロサブウェイV!!

 

棘だらけのVサインは、地獄への片道切符だ。

 

 

 

 

 

場外KO。

中歯ギラファが初勝利をGET。

 

 

万年白星配給係と思われた彼も、勝ち姿はかっこいい。

 

 

非常にうれしそうなギラファっち中歯。

 

 

なんかこっちもニッコリしてしまう。

くじけずによくここまで頑張った。

 

3回戦進出。

 

 

 

 

 

2回戦第8試合

紅の独眼竜・国産ノコギリクワガタ政宗号

VS

フローレンスの不沈艦・ギラファノコギリクワガタ

 

 

Bブロックのもうひとつのテーマは、「ノコ祭り」。

小型個体同士の激突は、予想を覆してギラファの勝ち。

 

そして真打の大型個体同士の対決を迎える。

 

 

政宗号。

今シーズン、モー虫に来日した本土ノコギリクワガタの中では最大の個体。

 

自信に満ちた彼は、モー虫以前に我が家に君臨したクワガタ王・クワガッタン(国産ノコ)を思い出させる期待の新星だ。

のちに実験的なタコ飼い水槽でヘラクレスと同居、ヘラクレスを敗走させ、ひっくりかえったヘラちゃんをパキ!パキ!と責めまくった非情のファイターだ。

 

 

「おおきいことはいいことだ」

甲虫の世界では真理である。

 

政宗号はギラファっちに大善戦。

ギャラクティカ・エクスプレスを受け止め、その体勢のまま、長時間粘る!!

 

ミヤマっちグレートですら、セレちゃんですらなし得なかった、G・エクスプレス止めを達成。

 

 

戸惑い気味のギラファだが、徐々にパワーの違いを発揮して、政宗号の体勢を崩していく。

 

 

 

ギラファっちのプレッシャーに耐え切れなくなった政宗号は、せっかく挟んだアゴを解除、挟み直そうとしてしまう。

 

それが命取りに。

 

アゴ先をギラファの「地獄のくるみ割り人形」タスク・クラッシャーがとらえる!!

 

 

 

一瞬で砕け、折り取られる政宗号の右アゴ。

うわー!!ヤ、ヤメテ!!事故発生じゃ!!!

 

 

 

そこで驚くべきことが起きる。

その事故を、意に介さず、政宗号は戦い続ける。

マジで!?

興奮しているにしても凄い。

 

 

しかし、政宗号の奮戦もここまで。

 

ギラファのもうひとつの必殺技「甲虫絞首刑」ハングマンズ・ホールドが爆発。

 

 

政宗号、踏ん張れずに場外に轟沈。

 

しかし、モー虫においては「出ると負け」状態だった国産ノコの、「底力」は示すことができた。

ギラファに必殺技を3つも出させたヤツは何人もいない。

 

 

 

 

ギラファっち、非情のアゴ折りから、甲虫絞首刑で、3回戦進出。

 

 

 

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