第39回大会
Bブロック
1回戦第5試合
ビソンの宮本武蔵 ビソンノコギリクワガタ
VS
金色の月光獣 モセリオウゴンオニクワガタ
宮本武蔵・ビソンの一回戦の相手は、平和の使者・モーちゃん。
モーちゃんは、相手が強ければ最初からスタコラサッサと流れる砂のように去っていくが、相手の体格がそれほどでもない場合はちょっと立ち向かってみることもある。
37回大会では、ローゼン相手にそれなりに健闘、見せ場を作った。
今回の相手はライト級に近い体格のビソンとあって、モーちゃんは立ち向かってしまった。
結果はいちころであった。
バガボンド・ツインロッドで秒殺。 モーちゃんよええ〜・・。 |
ハブラシ誘導の途中で致命的なクリティカルヒットが炸裂、撮影前に試合が決まってしまう「ダメ動画のパターンその3・秒殺編」だ。
これだと決着後のシーンしか撮れないので、せっかく技が出ているのにつまらん絵になってしまう。
この試合は静止画のみで十分だろう。(UPしても短すぎる上につまらんので・・・。)
編集可能になり、ハブラシ誘導の時からカメラを回すようになってからは、かなりこの失敗は少なくなった。しかしこの当時は少なからずあり、その度にがっくりしたものだった。
ビソンの下に入り込もうとしたモセリを一発で仕留めるビソン。
70mmといえども、ライト級相当の体格でしかないビソンにとって、中量級GPは過酷な挑戦であると言える。
しかし、相手が同じ軽量級なら問題にしない実力を持つ。
二刀流ビソンが、抜き打ちにモーちゃんを斬り捨てて2回戦進出。
2回戦第3試合
ミヤマ第3の男 ミヤマっちガブラ
VS
ビソンの宮本武蔵 ビソンノコギリクワガタ
ミヤマ第3の男、ミヤマっちガブラが登場。
36回大会からここまで、モー虫のヒーローであるはずのミヤマクワガタは惨敗続き。
第3の男・ガブラはどうか。
ワイルド個体であるガブラは、この時点でまだ成熟不足を感じさせていたザビタン&イビルより闘志が感じられる選手であった。
行け!ガブラっちょよ!ミヤマクワガタの真の力を見せてやるのだ!
甲虫二刀流・クワガタ武蔵のビソンと対峙し、にらみ合う。
けっこう長いにらみ合いが続いた。(動画ではカット。)
ハブラシ誘導による撮影失敗が続いていたので、ハブラシ誘導を自重してしばらく我慢するわし。
なかなか戦いが始まらない。
長いにらみ合いの末、「そろそろハブラシかのう・・・」というタイミングで、ビソンを「敵」と見なしたガブラっちょがついに戦端を開く。
動画リンク:ミヤマっちガブラ VS ビソンノコギリクワガタ http://r22.bannch.com/bs/BBSres/29259/92891043/4
ガブラっちょのガルーダ・クローがビソンをとらえる。
しかし、ビソンは鮮やかにそれを切り返し、バガボンド・ツインロッドでミヤマっちを半回転させ仕留めてしまう。
か、かっこええ〜・・・。
見事な先制攻撃を加えたガブラっちょだが・・・ |
その後、浮かせた状態のまま静止、モズのはやにえのようにミヤマっちをさらし者に。(動きなく、無抵抗でさらされるミヤマが気の毒なので動画ではカット。)
なぜ投げ捨てないのかは分からないが、宮本武蔵・ビソンが鮮やかな剣さばきを見せ、3回戦進出!!
1回戦第6試合
秩序破壊兵器 オオクワガタマックスハート
VS
ミヤマ軍団のエース ミヤマっちザビタン
本土産甲虫最強を決める戦いが・・・・とか言いたくなるところだが、モー虫ミドル級では最強クラスの強豪・マックスハートが相手ではさすがのザビタンも荷が重かった。
この試合もザビタンに戦意なく、まるっきりの塩試合に終わってしまった。
ミヤマがオオクワガタに対抗するには、体格で優った上で、その強さのピークの時に戦うしかない。この時点でのザビタンはまだその時期ではなかった。
38回大会に続き、今大会もミヤマがらみの試合は2試合が消化不良に終わってしまい、期待したみんなには申し訳ないと思う。
その穴埋めに、マックスVSザビタンの動画の代わりに、マックスハートVSミヤマっちファイナルアンサーの動画をUPする。
「金色の最終回答」ミヤマっちファイナルアンサーは、平成19年のモー虫ミヤマでは最大体長を誇った選手だった。
ミヤマっちグレートのふるさと、遠い北のショップからやってきた70mmを超える大型ミヤマ。それはシーズンも終盤に入ってようやくやってきた期待の星であった。
動画リンク:オオクワガタマックスハートVSミヤマっちファイナルアンサー http://r22.bannch.com/bs/BBSres/29259/92891043/4
あれ〜・・・・・。
明らかにマックスより大きいファイナルアンサーだが、その動きは鈍く、あっけなくマックスのP・マーブルスクリューの前に散る。
マックス、つえ〜。さすが、と言いたいところだが、コレは残念ながらファイナルアンサーが弱いせいなのだった。
デカい!強そうなファイナルアンサーだが・・・ |
ザビタンよりはるかに大きいファイナルアンサーだったが、残念ながらすでにピークを過ぎた個体であった。(泣)
ミヤマは私にとって特別な虫である。復活を目指し、あらゆる手だてを尽くしたが、ファイナルアンサーが強さを取り戻すことはなく、この1試合で去っていってしまった。
さてさて・・・。
外国産の大きい個体を手に入れるよりも、国産種の大型個体を手に入れることの方が難しい。
特にミヤマとノコには毎年泣かされる。
果たして今年は大型の選手を招聘できるであろうか。
1回戦第7試合
狂犬二世 ダールマンツヤクワガタ マードック
VS
よみがえる金狼 ローゼンベルグオウゴンオニクワガタ デスマスク
ダールマンとローゼン。
掲示板に万さんが書いてくれたが、この2匹は2006年初期のモー虫を彩ったスター選手であった。
ローゼンは元だめだめ四天王でありながら、成熟後は番狂わせを連発。脚殺しでヘラクレスを撤退させ、奇跡の技・クロノス・チェンジで「生傷男」カブ2号に逆転勝ち。リノケロスの鼻先を挟んでぶん投げたり、大きいマンディブラリスに逆転勝ちしたり、GPの準決勝でインターメディアを破り、決勝戦に進出したりと大活躍した。
気まぐれで、なぜか各種十番勝負では全くやる気を出さず、十番勝負を毎回盛り下げてくれたりもしたが、とてもとても可愛い忘れられない選手であった。
「全く使えないだろう」という予想だっただけに、その活躍と意外な強さは驚きであり、大きな喜びでもあった。
ダールマンも最初は全く期待されていなかった選手だった。
ライト級でもいいくらいの小さな身体で、「まあ、おそらくは中歯ギラファのような存在になるだろうな・・・」という印象だった。
マイナーなセレベス亜種というヤツで、体も細く、どう考えても強いとは思えなかった。
しかし、ダールマンというと短歯しか売っていないのが普通だったので、長歯はうれしい。まあ、彩りになれば、ということで招聘した。
ところがこいつが最初から強かった。
凶暴極まりないクレイジー・ファイターで、そのえげつない攻めは、エグすぎて逆にさわやかなほどであった。ヒドすぎて笑ってしまうような感じだ。
ローラン・ボックVS木村健吾、S・ハンセンVS阿修羅 原、みたいな展開だ。
口元のゲート状の内歯で相手の脚をロック、長い歯でかかえてムリヤリに押しだし、ぶん投げる。脚殺しと通常攻撃を同時に行うため、相手はあっという間にコテンパンにやっつけられてしまう。
自分より大きな相手に、狂犬、もしくは飢狼のように襲いかかる。
歴代の選手の中でも強さ・ウエイト・レシオはトップではないだろうか。
その両者の二代目がここで激突する。
それぞれ、初代とはキャラクターが微妙に違う。ローゼンデスマスクは初代より小型だが安定感ははるかに優る。目の前に敵の脚があれば、すかさず得意の脚斬り攻撃が発動する。戦わせるには、少し至近距離で試合が始まるようにセッティングすればいい。
ダールマンMDは、最初は期待通りの凶暴さを発揮し、連戦連勝。晩年を迎えていた、かつての絶対王者・ギラファっちフォルコメンハイトにすら勝利した。
対戦させる相手がなくなったので、私はついついモー虫歴代最強&最大を誇るコーカサス、コーカサス・ディザスターと対戦させてしまう。
前にも語ったとおり、これは大失敗であった。
甲虫台風の暴風にもみくちゃにされたダールマンMDは、心の牙を失ってしまうことになった。全く戦わないわけではないが、以前のような攻撃性、積極性は消えてしまい、攻め込まれた時だけ戦う、専守防衛の男になってしまった。
戦いがはじまる。
デスマスクの存在に気付いているのかいないのか、開始早々不用意に前進し、デスマスクをまたぐような形で上に乗るダールマン。
その隙を見逃すデスマスクではない。
戦闘的オウゴンオニ、それがデスマスクなのだ。
ダールマンのお株を奪うダールマン・ハリケーンアタックが火を噴く。
脚を挟むと、例によってグイグイと持ち上げるような形で前進する。
ダールマン、ピンチ!!
動画リンク:ダールマンMD VS ローゼン・デスマスク http://r22.bannch.com/bs/BBSres/29259/92891043/4
同種対決で慣れているのか、ダールマンは脚斬り地獄に動ぜず。
例えば、アトラスやヒルス、ヘラクレスなどの各種カブトムシは、脚斬りを非常に嫌がる。アトラスなんかは、ケースの中にいるとすぐに自分でちぎってしまうくせに、相手に脚を挟まれるととたんにパニックに陥る。
クワガタはカブほどでもないが、それでも脚部への攻撃は効果がある。
両者の必殺攻撃が交錯する |
闘志がよみがえったかのように、激しく反撃するダールマン。
短歯ばっかり、のイメージがあるダールマンにとって、脚部を攻められるのは当たり前のことなのかもしれない。
ダールマンのツインロッドがローゼンを襲う。
扇状に旋回することでツインロッドの直撃を避けようとするローゼンちゃんだが、これにはたまらず、挟んでいた脚を一旦離してしまう。
ローゼンの二の矢より速く、ダールマンの迫撃おしおき棒・デススロットル・ツインロッドが炸裂する。
ローゼン・デスマスク、場外に轟沈。
ダールマンMD、くせ者・ローゼンを降し、3回戦進出。
1回戦第7試合
肉食の野牛 スマトラパリー ジェロニモス
VS
名勝負製造機の幻影 セレベスオオヒラタ DG
この一回戦はドルクス対決。
初代パリー(リツセマ)オオクワガタはなかなか本格化せず、塩試合を大量に生産したが、このジェロニモスはブリード個体の新成虫でありながら、購入後すぐに戦うようになった。
またまたここでも、1〜2匹見た程度でこの虫はどうだとかこうだとか言えないものだと痛感するのだが・・・。先日、以前に書いたことを全面的に改訂しなければならない事象に遭遇した。
それがなんであるかを勘の鋭いジローさんが当ててくれた。それは「アフリカハナムグリ&カナブンは人前では戦わない」という私の主張を覆す、ウガンデンシスの大暴れ。一部改訂では済まない全面改訂が必要な出来事であった。
でも直しはめんどくさいので、あの話はあのままにしておこう。(ひで〜)
また、反省するのはいいが、あんまり遠慮してあいまいな物言いになっても面白くないので、今後も思い切り主観で断言していこうと思っている。(さらにひで〜)
36回大会準優勝、37回大会優勝のセレちゃんが登場。
38回大会はブロック決勝でヒラタの弱点を露呈、アトラスMBに完敗してしまった。
ここで不覚を取ってしまうと、今度こそ物語の主役の座を明け渡さなくてはならないだろう。モー虫といえばセレベス(もしくはミヤマ)。体格はジェロニモスが優位だが、ここで負けるわけにはいかない。
動画リンク:スマトラパリーJ VS セレベスDG http://r22.bannch.com/bs/BBSres/29259/92891043/0
先手を取ったのはもちろんセレちゃんだ。
初代セレちゃんがライバル・かぶえもんを破ったときの技・サイクロン・メイルシュトロームのように、ジェロニモスのツノ先をつまむようにロック。
内歯上がりの顎の形を見事に生かした攻撃! |
そのままジェロニモスの反撃を許さず、セレちゃんが完勝。
「このまま消えてたまるか!」
名勝負製造機の幻影が、復活ののろしを上げた。
3回戦第三試合
ビソンの宮本武蔵 ビソンノコギリクワガタ
VS
秩序破壊兵器 国産オオクワガタ・マックスハート
防御と攻撃、どちらが強いか。
それは間違いなく攻撃である。
同じポテンシャルなら、攻撃に出た方が勝てる確率はずっと高い。
その攻撃は激しければ激しいほどいい。
ジローさんのビソンノコギリクワガタ(ビソン男爵)の異常な強さは、その異常な闘志が生み出す激しい攻撃からきているものだ。
嵐のような波状攻撃は、「軽量」「パワー不足」という弱点をもカバーして、階級が上の選手をも食ってしまう。
国産カブトやアトラスでも、前進することが出来る「攻めカブ」「攻めアトラス」は、「待ちカブ」「待ちアトラス」よりはるかに強い。
1回戦、2回戦を鮮やかに勝利したモー虫ビソンだが、そのファイトスタイルは「待ち」タイプである。
敵の攻撃を受けて反撃し、内歯を上手く使って相手の動きを止めてしまう。相手が軽量なら、今回の1・2回戦のように持ち上げて引き剥がすことも可能だ。
36回大会ではベスト8に進出している。
しかし、相手に真に実力がある場合、「待ち」のスタイルで通用するのか?
動画リンク:ビソンノコギリクワガタ VS オオクワガタマックスハート http://r22.bannch.com/bs/BBSres/29259/92891043/0
先手を取ったのは百戦錬磨のマックスハート。
体長では優っているビソンだが、身体の太さはオオクワガタがはるかに上。
正面からの崩しあいになってしまえばパワーの差は歴然。こうなってしまうとマックスのペースだ。
なんとか反撃の糸口を見つけようと頑張るビソンだが、体勢を大きく崩されてしまう。
豪快!!P・マーブルスクリュー!! |
最後はマックスハートのP・マーブルスクリューがビソンを場外葬。
秩序破壊兵器がブロック決勝進出を決めた。
3回戦第四試合
狂犬二世 ダールマンツヤクワガタ MD
VS
名勝負製造機の幻影 セレベスオオヒラタ DG
エグ、エグエグ〜〜〜!
気っ風が良いにも程がある、エグすぎる攻撃で一世を風靡した初代ダールマン。
相手の力を引き出した上で勝つことができた名勝負製造機・初代セレちゃん。
ダールマンVSローゼン同様、モー虫オールスター戦にふさわしい、スターであった選手の跡継ぎ同士の一戦だ。
ビソン同様、体格&パワーで劣るダールマンが勝つとすれば、やはり初代のようなエゲつない攻め、攻撃的なスタイルで先手を取っていくしかないだろう。
最初の一発で強烈な一撃を決めれば、案外セレちゃんもアトラス戦のように引き下がるかもしれない。
先手を取られてはダメだ。37回大会でビソンがセレちゃんに簡単に敗れたように、ダールマンも簡単に料理されてしまうだろう。
さて、どうなるか・・・。
動画リンク:ダールマンMD VS セレベスDG http://r22.bannch.com/bs/BBSres/29259/92891043/0
うわ〜!!
ダメだ!
シェンクリング相手に先手を取ることもできるセレちゃんは、ダールマンMDより速かった。
いきなりギロチン・バイスでダールマンの自慢のツインロッドを束ねてしまう。
力と力の正面衝突となれば、細身のクワガタは圧倒的に不利になる。
勝つには勢い・流れが必要なのだ。
必殺の甲虫断頭台・ギロチン・バイスが爆発。
ダールマンを場外葬。
セレちゃん、ブロック決勝へ進出。
Bブロック決勝戦
秩序破壊兵器 オオクワガタマックスハート
VS
名勝負製造機の幻影 セレベスオオヒラタ DG
Bブロック決勝に駒を進めたのはやはりドルクス。
歴史を知る古豪・マックスハートと、物語の主役・セレちゃんDGだ。
両者の実力は伯仲。本当に伯仲だ。
あんまり伯仲だと私のやっていることの意味が薄くなるので、ちょっと困る。
前回勝ったヤツが次は同じ顔合わせで負け。
モー虫ではこのパターンが結構多い。
ミドル級レギュレーションによる同条件・同階級での強さ比べがコンセプトなので、選手同士の戦闘力は近接しているのだ。
セレちゃんとマックスハートの実力は互角。
セレちゃんのライバルといえばシェンクリングだが、実はマックスハートもまた、お互いに勝つときも負けるときもある好敵手同士なのだ。
動画リンク:セレベスDG VS オオクワガタMH http://r22.bannch.com/bs/BBSres/29259/92891043/0
リングに上がるとすぐに、せわしなく周囲をうかがうセレちゃん。
興奮してクルクルと旋回し、敵を探す。
しかし、それが命取りになった。
アマミっち戦の時も、同じように無防備な横っ腹を相手に向けてしまったが、その時はアマミっちの反応が遅く大事には至らなかった。
マックスはそう甘くはない。
マックスの百戦錬磨の落ち着きが、セレちゃんの若さを突く。
いきなりの襲撃にセレちゃん大ピンチ! |
襲い掛かるマックス。驚くセレちゃんだが、すぐに向き直って迎撃。
ギロチン・スラッシュとP・マーブルスクリューが激しくぶつかり合う。
・・・しかし・・・。戦いはここから、というところでセレちゃんが撤退開始。
背後から襲撃を受けたことで、心のパワーがレベルダウンしてしまったのか。
アトラス戦に続いて、先手を取れば圧倒的に強いが先手を取られると脆い、という弱点を露呈してしまうセレちゃんDG。
流れとはいえ、これはちょっとセレちゃんにとっては気の毒な展開であった。
Bブロックを制したのは、古豪・マックスハート。
コーカサスをも退ける秩序破壊兵器が、再び頂点を目指し駆け上がる。
準決勝の相手は、35回大会で決勝を争った荒鷲・スチーブンス。
あの時は素晴らしい戦いを展開した末に敗れてしまったが、今度はどうか。